ARPPU【Average Revenue Per Paying User】
概要

類似の指標に「ARPU」(Average Revenue Per User)があるが、こちらは無料利用者を含めた全利用者を対象に売上高を平均化したものである。基本機能を無料で提供する「フリーミアム」(freemium)型のサービスでは無料利用者が母数の大半を占めるため、ARPUだけでは課金ユーザー層の実態を正確に捉えられない。
そこで、算出対象を課金実績のある利用者のみに限定した指標としてARPPUが用いられる。同じ売上高でも、課金利用者数が少なければARPPUは高く、多ければ低くなる。スマートフォン向けゲームや動画配信、音楽配信、電子書籍、クラウドサービスなど、無料利用者と有料利用者が混在する事業モデルで広く参照され、継続課金型サービスでは月間や四半期、ゲームやEC事業では日次や月次など、目的に応じた期間で集計されることが多い。
ARPPUだけではサービス全体の収益性は判断できない。課金利用者一人当たりの支払額が高くても、課金する利用者の割合が低ければ売上全体は伸びないためである。このため、全利用者に占める課金利用者の割合を示す「課金率」(PUR:Paying User Ratio)と組み合わせて分析するのが一般的である。サービス全体の売上高は総利用者数に課金率とARPPUを掛け合わせたものに等しい。課金率が低くてもARPPUが高ければ一部の重度課金者に支えられている状態であり、逆にARPPUが低くても課金率が高ければ広範な利用者層から均等に収益を得ている状態であると判断できる。
ARPPUは、有料会員の平均購入単価や平均購入点数、平均購入頻度という要素に分解することも可能である。どの要素が売上を押し上げているかを把握すれば、価格設定の見直しや購買頻度を高める施策など、具体的な改善策の検討に役立てられる。高価格帯の商品や追加機能の販売によってARPPUが上昇する場合もあれば、低価格商品の普及により課金利用者数が増えてARPPUが低下する場合もある。近年ではサブスクリプション型サービスやスマートフォンアプリ型ゲームの普及に伴い、既存の課金顧客との関係を維持して単価を高める施策の重要性が増しており、顧客獲得コスト(CPA)や解約率、生涯顧客価値(LTV)といった指標と並び、収益性を測る基本的なデータとして参照されている。