読み方 : エーアイデータのりようにかんするけいやくガイドライン
AI・データの利用に関する契約ガイドライン

AIやデータは無形で再利用が容易であり、学習や推論を通じて価値が変化・蓄積するため、従来のソフトウェア契約や業務委託契約だけでは整理が難しい場合がある。ガイドラインでは、こうした特性を踏まえてAIの開発や学習、提供、利用、およびデータの提供や利用に関する様々な契約類型における論点を整理している。
データの提供範囲、利用目的、再利用や二次利用の可否、AIの成果物の取扱いなどについて、当事者間で明確に定める必要性が示されている。特に、AIシステムの開発委託契約において、開発の過程で生み出される学習済みモデルや中間成果物の権利帰属に関する考え方、また、AIの精度・品質をどこまで担保すべきかという問題に対する整理が行われている。
知的財産権や秘密情報の管理、責任分担、リスク配分といった一般的な契約論点についても、AI・データ特有の事情を踏まえた論点が提示されている。特に、AIの出力結果の不確実性や、学習データに起因する問題が生じ得る点を考慮し、保証や免責、責任範囲をどのように整理するかが重要な検討事項とされている。
このガイドライン自体は何らかの法的な強制力を持つものではないが、AI・データを巡る契約実務における共通理解を形成するための叩き台としての役割を担っており、業界における標準的な取引慣行を形成する一助となっている。
(2025.12.13更新)