読み方 : とくちょうマップ
特徴マップ【feature map】
概要
特徴マップとは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)で畳み込み層が出力するデータで、入力データのどこに局所的な特徴が存在するかを示したもの。浅い層では単純で断片的な特徴の、深い層では複雑で抽象的な特徴の存在や位置を表現する。

ニューラルネットワークの特殊な層の構造である「畳み込み層」は、脳の視覚野にある「単純型細胞」の働きを模したもので、画像のように空間構造を持つデータの中から局所的な特徴を抽出し、その位置を下層に伝える働きをする。
画像解析の場合、縦線、横線、曲線といった画像に含まれる断片的な小さな特徴に対応する「フィルタ」あるいは「カーネル」という小さな行列を用意し、これを画像の左上から右下へ一定の幅で移動しながら、各位置のデータ断片と照合する。全体をスキャンしたら、フィルタの特徴を発見した位置を並べた特徴マップを作成し、下層へ出力する。
通常、フィルタは特徴の種類ごとに用意され、それぞれのフィルタに対応する複数の特徴マップが生成される。これにより、モデルは異なる種類の特徴を同時に学習することが可能となる。
畳み込み層は特徴マップを圧縮するプーリング層と組み合わせて用いられ、これを何段階も重ねた構造を持つ。深い階層の畳み込み層では抽象度の高い特徴が表現される。例えば、初期層では直線、角など単純で断片的なパターン、中層では立方体、球など基本的な図形、深層ではビル、車など物体の種類といった具合である。
(2025.12.5更新)