8.3形式 【8.3 file name】

概要

8.3形式(8.3 file name)とは、MS-DOSやWindows 3.1以前などで用いられていたファイル名ディレクトリ名の形式。ファイル名を「.」(ドット/ピリオド)で区切り、前半が8文字以内、後半が3文字以内の英数字とするもの。

マイクロソフトMicrosoft)社が1980~90年代に提供していたオペレーティングシステムOS)のファイルシステムにおけるファイル名の規約で、ストレージの記憶容量が限られていたため11文字までの半角英数字で名前を付けなければならない。

前半8文字はファイル名の本体で、「.」を挟んで後半3文字はファイルの種類を識別するための「拡張子」(extension)と呼ばれる符号である。「.TXT」ならテキストファイル、「.EXE」や「.COM」なら実行ファイルといったように形式ごとに決まっていた。

大文字と小文字は区別されず、記号文字は「$」「_」など一部のみ使用可能。拡張子は省略することもでき、内部的に用いるファイルなどでは拡張子の仕組みを無視して11文字全体をファイル名としてしまう運用も仕様上は可能となっている。

なお、1995年発売の「Windows 95」以降ではファイル名の制限が緩和され、ファイルの位置を表すパス全体で259文字までとなり、半角文字だけでなく全角の日本語文字を含むUnicode文字を付けられるようになった。以降も古いプログラムアクセスできるよう、内部的には8.3形式のファイル名が自動生成されてファイルの属性領域に記録されている。

(2024.8.21更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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