.govドメイン
概要
.govドメインとは、インターネット上で用いられるドメイン名の最上位階層の識別名(TLD:トップレベルドメイン)の一つで、アメリカ合衆国連邦政府機関や関連組織のためのもの。“gov” は “government” (政府、行政)の略。ドメイン名についての現在のルールや体系が整備される以前から存在する歴史的なTLDの一つで、1985年から利用されている。米連邦政府を構成する機関や政府関連の団体や事業などに割り当てられる。連邦機関の一つであるCISA(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency)が管理している。
三権を代表する大統領官邸(whitehouse.gov)、連邦議会(congress.gov)、連邦最高裁判所(uscourts.gov)をはじめ、国務省(state.gov)や航空宇宙局(nasa.gov)のような省庁・政府機関、連邦政府が公開するオープンデータのポータルサイト「Data.gov」のような省庁横断プロジェクトなどで用いられている。
歴史的な経緯で存在する米政府向けの特殊なTLDとしては他に米軍や関連組織向けの「.mil」ドメイン(military:軍事の)がある。陸軍(army.mil)、海軍(navy.mil)、空軍(af.mil)、海兵隊(marines.mil)などが用いているが、国防総省(DoD)の本省は「defense.gov」を利用している。
一方、米国の公的機関のうち、州政府や地方公共団体などは国別ドメイン名である「.us」ドメインを、高等教育機関などは「.edu」ドメインを利用することになっている。2002年からは州政府など地方の公的機関にも.govドメインの利用が開放され、ジョージア州政府の「georgia.gov」などの利用例がある。
トップレベルの「gov」は米国内の公的機関しか取得・運用することが認められていないが、国別トップレベルドメイン(ccTLD)配下の政府機関向けセカンドレベルドメイン(SLD)として「gov」を用いる国もある。イギリスの「.gov.uk」、オーストラリアの「.gov.au」、中国の「.gov.cn」などである。日本では政府機関向けのドメインは「.go.jp」である。