読み方 : けんどくせい

見読性【visual readability】

概要

見読性とは、電子的に保存された文書やデータを、ディスプレイへの表示や印刷を通じて、利用者が肉眼で容易に内容を確認できる性質のこと。電子文書を紙の文書と同様に扱えるようにするために求められる、電子文書管理における基本的な要件の一つである。
見読性のイメージ画像

見読性を満たすには、正当な権限を持つ者が簡単な操作で画面表示や印刷を行い、内容を判読できる状態を保つ必要がある。データが記録媒体に存在するだけでは不十分であり、文字や図表が欠落せず整然かつ明瞭に確認できることが求められる。

暗号化されたデータや特殊な形式で保存された場合、復号する手段や表示用ソフト、出力装置が揃って初めて見読性が満たされる。システム障害やデータ形式の陳腐化によってファイルを開けなくなった状態は、見読性が失われた状態といえる。長期保存を前提とする文書ほど、将来の環境変化を見越した対策が欠かせない。

見読性は、文書の真正性や完全性とは異なる概念である。真正性は正しい作成者によって作成されたことを示し、完全性は保存後に内容が改変されていないことを示すのに対し、見読性は保存内容を人が実際に見て確認できるかという観点の要件である。改竄されていないデータであっても、対応するソフトがなく表示できなかったり、文字化けにより判読できなかったりすれば、見読性は確保されない。

電子帳簿保存法においても、見読性は保存要件の一つとして扱われている。国税関係帳簿書類の電子保存では、記録を確認するための見読可能装置の備え付けや、整然・明瞭な状態での出力が求められ、スキャナ保存でも一定の解像度による読み取りと表示・出力が要件とされている。制度改正に伴い要件の見直しも行われており、2025年4月からは一部の添付書類等について、フルカラーに加えてグレースケールでのスキャナ読み取りも認められるようになった。

(2026.9.5更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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