ネオコグニトロン 【neocognitron】

概要

ネオコグニトロン(neocognitron)とは、1979年に福島邦彦氏が提唱した画像認識ニューラルネットワークのモデル。畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の元祖として知られる。
ネオコグニトロンのイメージ画像

画像の局所的な特徴を捉える「S細胞」の層と、S細胞が捉えた特徴をある範囲で統合する「C細胞」の層が交互に重なった構造となっている。深層へ行くに連れて徐々に読み取る範囲が広がり、最下層では文字や数字なる意味がある単位の特徴を出力することができる。

動物の脳の視覚野の働きを模したモデルで、「S細胞」は視覚野の「単純型細胞」(simple cell)に、「C細胞」は「複雑型細胞」(complex cell)に対応している。この構造は1959年に共に神経科学者のデイヴィッド・ヒューベル(David H. Hubel)とトルステン・ウィーセル(Torsten N. Wiesel)が明らかにした。

それまでのモデルに比べ対象の変形や位置ずれに強かったが、隠れ層を含む多層のニューラルネットワークに対する効果的な学習手法を見出すことができず、研究は停滞した。その後、1989年にヤン・ルカン(Yan LeCun)が「誤差逆伝播法」(バックプロパゲーション)を畳み込みニューラルネットワークに適用したことで飛躍的な性能向上を遂げ、畳み込み手法が再び日の目を見ることとなった。

(2025.9.14更新)

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