コプロセッサ 【co-processor】
コンピュータの構成要素のうち、装置や回路の制御、演算などを担うものをCPU(中央処理装置)という。CPUは様々な処理をこなすことができる汎用的な装置だが、処理の負担がCPUに集中するため、システム全体の性能を規定する隘路(ボトルネック)となりやすい。
そこで、数値演算など特定の機能に特化した安価で単純で処理装置を実装し、CPUの指示で処理を分担する仕組みが考案された。CPUに付属して使用することを前提に、特定分野の機能のみを実装したプロセッサのことをコプロセッサという。
初期のコプロセッサとしてよく知られるものに、浮動小数点演算に特化した「FPU」(Floating-point Processing Unit/数値演算コプロセッサ)があり、古い文献などではこれを指してコプロセッサと呼ぶことも多い。現在ではCPUの演算機能が向上し、単体のFPUはほとんど開発されていない。
近年では、画像処理に特化した「GPU」(Graphics Processing Unit)、信号処理に特化した「DSP」(Digital Signal Processor)、セキュリティ機能に特化した「TPM」(Trusted Platform Module)などのコプロセッサがよく利用されている。一部のサーバ向けNIC(ネットワークインターフェース)に内蔵された、通信処理を肩代わりする各種のオフロードエンジンもコプロセッサの一種である。
(2022.6.7更新)