CCD 【Charge-Coupled Device】 電荷結合素子 / CCDイメージセンサ / CCD image sensor
概要
CCD(Charge-Coupled Device)とは、ICチップ内の信号伝送路の一種で、半導体素子を一列に並べ、隣り合う素子間でバケツリレー式に次々に電荷を受け渡していくことで信号の伝送を行うもの。これに受光素子や微細なレンズなどを組み合わせた撮像素子「CCDイメージセンサー」のことをCCDと略すことが多い。CCDイメージセンサーの表面には縦横に規則正しく微細なレンズが敷き詰められており、光がその下にある受光素子(フォトダイオード)に集められる。それぞれの受光素子は受けた光を強さに応じて電荷に変換し、下にある蓄積層に蓄える。蓄積された電荷は端から順にCCD伝送路を通じて増幅器(アンプ)へ送られ、電気信号として取り出される。
CCDイメージセンサーはCMOSイメージセンサーとともにデジタルカメラやデジタルビデオカメラ、スマートフォン内蔵カメラなどの撮像素子として広く普及している。CCDセンサーはCMOSセンサーに比べると価格が高く消費電力が大きいが、ノイズが少なく画質が高いとされる。近年ではCMOSセンサーの改良が進んだため差は縮まりつつある。
CCDは1969年に米AT&Tベル研究所のウィラード・ボイル(Willard Boyle)氏とジョージ・スミス(George E. Smith)氏が発明したもので、両氏はこの功績により2009年のノーベル物理学賞を受賞している。信号伝送路としてのCCDにはイメージセンサー以外にも様々な応用がある。
CCDイメージセンサーは1980年代に業務用のテレビカメラなどで実用化され、2000年代にはデジタルカメラの撮像素子として普及した。CCDイメージセンサーの生産は長らくソニーを筆頭とする日本メーカーの寡占状態にあることでも知られる。
(2024.8.21更新)