InfoPath

概要

InfoPathとは、米マイクロソフト(Microsoft)社がかつて提供していた、XML文書の作成や管理を行うソフトウェア。同社のオフィスソフト製品、Microsoft Officeの一部として2003年から2013年まで提供された。

定形の入力フォームを作成し、入力されたデータをXMLで定義付けして他のソフトウェアから再利用しやすい形で保存・管理するための機能を提供する。フォームの作成や入力、データの管理などはGUIツールによって対話的に行うことができ、利用者が直接XMLやプログラミングなどの知識や技能を要求されることはない。

入力項目のデータ形式(文字、数値、金額、日付等)や、自由記述か選択方式かなども自由に設定できる。各項目に入力時の制約や条件を設け、そこから外れた値を受け付けないようにすることもできる。

入力されたデータはXMLファイルおよび各項目の定義を記述したスキーマファイル(XSDファイル)として保存され、XMLの読み込みに対応した他のソフトウェアでデータの定義やデータ本体を読み取って活用することができる。

InfoPathはMicrosoft Office 2003で初めて採用され、WordやExcel、Accessなど他のOfficeソフトウェアもこのバージョンからXML形式のデータに標準で対応するようになった。これにより、定型的なデータ入力システムをInfoPathで構築し、蓄積されたデータをExcelで集計したり、Wordで整形して出力するといった横断的なデータ活用が容易にできるようになった。

Microsoft Office 2013に組み込まれたInfoPath 2013を最後に開発・提供が終了し、以降はMicrosoft Accessのフォーム機能や、Microsoft Flow、Microsoft PowerAppsなどへの移行・代替が推奨されている。

(2019.1.7更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。