ClearType
概要
ClearTypeとは、文字を滑らかに表示するフォントスムージング技術の一つで、画素をサブピクセルに分割して個別に発色を制御することで曲線や斜線を滑らかに表示するもの。米マイクロソフト(Microsoft)社が開発し、Windows XP以降のWindowsに内蔵されている。一般的な液晶ディスプレイは一つ一つの画素(ピクセル)が赤・緑・青の光の三原色に対応する発光素子を横に並べた構造となっており、それぞれの色の素子を副画素(サブピクセル)という。
通常は画素を単位として発色を制御するが、ClearTypeではサブピクセルごとに細かな階調の制御を行い、斜めの線が画素の形状に沿って階段状になるジャギー(jaggy)の発生を抑止する。このような表示手法をサブピクセルレンダリング(subpixel renderingという。
表示時に線形を決定するアウトラインフォントでのみ有効で、あらかじめ画素の配置が決まっているビットマップフォントでは利用できない。Windowsではメニュー表示用のフォントの小さめの文字サイズがビットマップ形式で提供される(MS UI GothicやSegoe UIの一部のサイズなど)ことがあり、そのようなフォントおよびサイズでは無効となる。
液晶ディスプレイでの表示を想定して設計されているが、CRTディスプレイなど他の方式でもある程度は表示が滑らかになる。ただし、ディスプレイ側の機能や設定で表示方向が変更されたり、拡大・縮小処理が行われている場合にはサブピクセルの配置が乱れ不自然な表示になることがある。
(2022.6.9更新)