周波数オークション 【spectrum auction】
概要
周波数オークション(spectrum auction)とは、政府が電波の周波数帯を放送や通信などを行う事業者に割り当てる際に競争入札(オークション)を実施し、最も好条件(通常は最高額)を提示した事業者が落札する制度。日本では導入されていない。テレビやラジオの放送、無線通信などに使用する電波の周波数帯域は国民共有の公共資源であり、条件の良い帯域には限りがあるため、混信や干渉を避けるため各国政府が規制を敷いて用途や運用機関などを定めている。
民間の事業者が特定の周波数帯を占有して放送や携帯電話などの事業に用いる場合、従来は政府機関(日本では総務省)が審査により割り当て先を決め、法定の電波使用料を支払って使用するという方式が一般的だったが、一定期間の占有権を一種の競売にかけて売却するようにした制度を周波数オークションという。
公平で透明性が高く、効率的な電波資源の分配ができ、経済的価値に見合った国庫収入が得られるとして2000年前後に欧米先進国が相次いで導入した。初期には高額の落札代金を支払えず携帯電話事業者が経営破綻するといった弊害も現れたが、その後は概ね順調に運用されており、現在ではOECD加盟国のほとんどが導入している。
(2018.11.29更新)