モーションブラー 【motion blur】
概要
モーションブラー(motion blur)とは、動いているものを撮影した写真や映像に生じるブレや残像のこと。一つの像を得る露光時間の間に像が移動したり変形することによって生じる。カメラなどの装置で撮影を行う際、一枚の像を得るためにフィルムやセンサーに一定時間外の光景を取り込んだ光を当て続ける必要がある。この時間を「露光時間」と呼び、現代の機器では数十分の一秒程度の短時間だが、高速で移動している被写体はその間にも大きく動いてしまい、移動方向にブレて映る。
写真の場合、あえて露光時間を長くしてわざとモーションブラーを生じさせて動きを強調する表現手法もあるが、基本的にはモーションブラーは厄介者であり、いかにこれを抑えて静止状態に近い鮮明な画を得るかが課題となることが多い。
一方、映像の場合、動くものをカメラで撮影するとやはりモーションブラーが生じるが、コマ撮りの特撮映像や3次元CGアニメーションでは普通に映像を作成するとモーションブラーが一切存在しなくなるため、却って不自然で人工的な映像になってしまう。このため、こうした分野では映像に「自然な」モーションブラー追加する効果・技法の研究が行われている。
(2024.6.10更新)