メンブレンキーボード 【membrane keyboard】
概要
メンブレンキーボード(membrane keyboard)とは、キーボードの種類の一つで、2枚の導電シートの間に穴の空いた絶縁シートを挟み、キーが押されると上下の接点が触れ合うことでキー入力を検知する構造のもの。膜(membrane)状のシートを挟みこむ構造からこの名がついている。構造が簡単で安価に製造できるため、パソコン向けキーボードで多く採用されている。キーストロークを確保するためのバネとなる弾力機構としては様々な種類のものがあるが、大別するとラバードームを使用したものとスプリングを使用したものに分類される。
このうち、ラバードームを使用したものは構造が単純で安価に製造できる。分解して接点シートを取り外せば、キーキャップや筐体そのものを水洗いできるものもあり、メンテナンスが容易という利点もある。
反面、材質的に耐久性が低く、メカニカルキーボードの寿命が押下回数数千万回とも言われるに対して、ラバードームは数百万回程度が限界とされる。また、安価なものほどゴムの弾力がダイレクトに指先に戻ってくるので、疲れやすく、長時間のタイピングには向かないとも言われる。
古いメンブレンキーボード
なお、古い産業機械や業務用の端末などで、柔らかい樹脂製のシートの表面に文字や枠が印刷された平たい文字入力装置が用いられていることがあり、これもメンブレンキーボードと呼ばれる。
枠のある場所を指で押し込むと裏にある導体が下にある回路に接して信号を送る仕組みである。バネなど強い復元力のある部材が無いため打鍵感が無く、連続して高速に文字を入力する用途には使用できない。
(2023.2.7更新)