ソフトウェア無線 【SDR】 Software-Defined Radio
一般に無線通信では通信方式ごとに異なる専用の信号処理回路を用意する必要があり、コストやサイズの制約からあまり多くの方式を一つの機器で扱うのは現実的ではない。固定的なハードウェアであるため製造後に新しい方式に対応させたり、処理方式の修正や改良などを行うこともできない。
ソフトウェア無線ではDSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)、広い範囲の周波数に対応した送受信回路などを組み合わせたハードウェア(SDRデバイス)を使用し、これを制御するソフトウェアを入れ替えることによって複数の周波数帯域や通信方式に柔軟に対応することができる。
ソフトウェア無線の起源は1970年代の米軍の軍事研究に遡ることができ、“software radio” の語は1984年に米E-Systems社が使い始めたものとされる。2000年代以降は民生用機器への応用も模索されているが、一部の軍事用無線装置や携帯電話基地局などに応用例がある程度で、広く普及するには至っていない。
(2018.11.12更新)