ゼロスピンドルノート 【zero spindle notebook PC】 0スピンドルノート
概要
ゼロスピンドルノート(zero spindle notebook PC)とは、光学ドライブやハードディスクを搭載せず、外部記憶装置にフラッシュメモリなどを利用するノートパソコン製品のこと。2006年にソニー(当時)が発売した超小型ノートパソコン「VAIO type U」で提唱した製品コンセプトである。従来のノートパソコンにはCDドライブやDVDドライブなどの光学ドライブ、ハードディスクドライブ、古くはフロッピーディスクドライブなど、円盤(ディスク)を記憶媒体とする外部記憶装置が内蔵されるのが一般的だった。このようなドライブ装置はディスクを高速で回転させる精密機械であるため、振動や衝撃に弱く、消費電力や騒音、重量、容積も大きいという難点があった。
ノートパソコン製品の分類法の一つに、ドライブ装置をいくつ内蔵しているかという基準があり、ディスクドライブの回転軸(スピンドル:spindle)がいくつあるかという意味で、ハードディスクと光学ドライブ内蔵なら「2スピンドル」、ハードディスクのみなら「1スピンドル」などと呼んでいた。
ゼロスピンドルノートはディスクドライブを一つも内蔵していない製品で、ストレージ装置としてフラッシュメモリを内蔵し、光学ドライブも排除されている。可動部がないため衝撃に強く、軽量で消費電力も小さくできる。初期の製品は主基板などにフラッシュメモリチップを直付けするなどの実装方法だったが、現在は2.5インチSSDやM.2やNVMe接続の基板型SSDが一般的となっている。
ノートパソコンのストレージとしてSSDが主流となり、光学ドライブはUSB接続の小型の製品が数千円で入手可能となっているため、ゼロスピンドルノートは特殊な製品カテゴリーではなくなっており、現在発売される新製品の多くはゼロスピンドル型が主流となりつつある。
(2024.6.12更新)