ウィキメディア財団 【Wikimedia Foundation】
2003年にジミー・ウェールズ(Jimmy D. Wales)氏らが設立し、誰でも自由に内容を投稿、編集できる「Wiki」(ウィキ)システムを応用した各種コンテンツを公開している。団体名の由来はWikiと “multimedia” (マルチメディア)の組み合わせとされ、英語でも日本語でも一文字しか違わないためよく「ウィキペディア財団」(Wikipedia Foundation)と誤記される。
オープンソースソフトウェアとして公開されている「MediaWiki」(メディアウィキ)を用いて様々な種類、分野のWebサイトを運営している。掲載内容はCC BY-SA(クリエイティブコモンズ/表示・継承)あるいはGFDL(GNU Free Documentation License)などのライセンス(利用許諾)に基づいて公開されており、誰でも自由に利用(複製・改変・頒布・販売など)することができる。
各サイトではインターネットに接続できれば誰でも自由に投稿や編集に携われるが、登録利用者もおり、その一部にはシステム上の権限が与えられている。サイトの運営方針の策定や運用上の議論、意思決定などはサイト上の利用者コミュニティに委ねられている。
財団自身は運営資金の調達やサーバ・回線などサイト運用環境の提供・維持、プロジェクト自体の創設や改廃などを担当している。内容や運営の中立性を重視しており、広告や有料サービスなどは無く、運営に必要な資金は原則としてすべて寄付(特に読者や投稿者からの小口のオンライン寄付)によって賄っている。
当初はWikipediaの運営からスタートしたが、現在では国語辞典・語学辞書「Wiktionary」、様々な学問分野のフリー教科書「Wikibooks」、引用句集「Wikiquote」、旅行ガイド「Wikivoyage」、電子図書館「Wikisource」、プロジェクト横断のメディアコンテンツ集積所「Wikimedia Commons」、生物種の分類目録「Wikispecies」、ニュースサイト「Wikinews」、学習教材や学習コミュニティ「Wikiversity」、オープンデータ集積所「Wikidata」などのプロジェクトを展開している。