Wiktionary 【ウィクショナリー】
概要
Wiktionary(ウィクショナリー)とは、非営利団体のウィキメディア財団(Wikimedia Foundation)が主催している、誰でも自由に閲覧・執筆・編集できるインターネット上のフリー辞書。百科事典「Wikipedia」(ウィキペディア)の姉妹プロジェクトで、各国語の国語辞典、語学辞書を編纂している。Wiki(ウィキ)と呼ばれるWebサイトの共同執筆・編集システムの一つ(独自開発のMediaWiki)を利用して作られており、“Wiktionary” の名称は、“Wiki” と “dictionary” (辞書、辞典)の造語である。
諸言語の単語や成句について、意味や用法、品詞、活用形、発音、語源、他言語の訳語などの事項を簡潔にまとめている。各言語についての国語辞典と、他言語との間の語学辞書を兼ねており、例えば日本語版Wiktionaryであれば、日本語の国語辞典や漢和辞典、類語辞典などと、英和・和英辞典、仏和・和仏辞典、独和・和独辞典…などが一体化した構成となっている。
内容は自由に検索・閲覧できるほか、登録などしなくても誰でも内容を編集できる。利用者の登録制度もあり、登録利用者しか使用できない機能もある。登録利用者の中には管理者がおり、一般の利用者より強い権限を持っている。
各項目ごとに編集履歴が時系列に記録され、初版から順に、どのIPアドレスがいつどのように編集したのかを誰でも参照することができる。不適当な編集が行われた場合は他の利用者や管理者によって以前の版に巻き戻されたり、新しい版で上書きされることがある。
広告や有料サービスなどは無く、運営に必要な資金は寄付によってまかない、編集は世界中の無償のボランティアの手によって行われている。掲載内容はCC BY-SA(クリエイティブコモンズ/表示・継承)あるいはGFDL(GNU Free Documentation License)というライセンス(利用許諾)に基づいて公開されており、誰でも自由に利用(複製・改変・頒布・販売など)することができる。
2002年に英語版から開始され、日本語版は2003年末に創設された。現在は世界の150以上の言語版が用意され、最も多い英語版で700万以上、日本語版で約30万の項目が作成されている。ウィキメディア財団では姉妹プロジェクトとして百科事典の「Wikipedia」(ウィキペディア)や、教科書や参考書の「Wikibooks」(ウィキブックス)、メディア素材集の「Wikimedia Commons」(ウィキメディア・コモンズ)などを運営している。