Windows Hello
概要

サインイン時には、キーボードでPINを入力するか、指紋リーダーや赤外線カメラなどの対応ハードウェアが生体情報を読み取り、利用者の識別とサインイン処理を自動的に行なう。一般的なWebカメラやタッチセンサーでは利用できない。
パスワード認証は文字列の漏洩や使い回しによって第三者のなりすましを許す危険性が常にあるが、生体認証は個人の身体的特徴に依存するため物理的な盗取が困難である。PIN認証も端末そのものが手元になければ使用できず、端末内部にのみ保存されるため外部への漏洩や遠隔からの不正利用の恐れが小さい。認証処理では生体データ自体ではなく暗号化された鍵情報が用いられ、本体内の「TPM」(Trusted Platform Module)などの安全な領域で秘密鍵が保護されるため、生の生体情報が流出するリスクも抑えられている。
Windows Helloは、パソコンへのサインインだけでなく、FIDO2やWebAuthnに対応したWebサイトやアプリの認証にも利用できる。近年は「パスキー」の標準規格にも対応しており、Windows Helloに保存したパスキーを顔や指紋、PINで呼び出すことで、パスワードを入力せずにサービスへサインインできる。パスキーでは公開鍵暗号方式が使われ、秘密鍵は端末側に保持されたまま外部へ送信されないため、認証先のサーバに秘密鍵や生体情報を渡す必要がない。
企業向けには、Windows Helloを基盤とした「Windows Hello for Business」も提供されている。Microsoft Entra IDやActive Directoryと連携し、端末に結び付いた認証情報とPINまたは生体認証を組み合わせることで、組織内のアプリやサービスへのパスワードレス認証を実現する仕組みである。