解凍 【decompression】 伸張 / 減圧

概要

解凍(decompression)とは、俗に、データ圧縮されたファイルなどに逆変換をい、圧縮前の状態に戻すこと。文脈により「伸長」「展開」「抽出」などと言う場合もある。

信号やデータを実質的な意味を保ったまま、一定の手順で変換してより短い符号列に置き換えることを「圧縮」(compress/compression)という。これとは逆に、圧縮データを元に戻す操作・処理を英語では否定の接頭辞 “de-” をつけて “decompress” (名詞形はdecompression)というが、日本語では定まった訳語がない。

日本では1980年代にパソコン通信ファイル圧縮ソフトの付属文書などを通じて「解凍」という用語が広まった(対応して圧縮のことを凍結と呼ぶこともあったがこれは広まらなかった)ため、慣用的に解凍と呼ぶことが多いが、本来の語義として圧縮と解凍では意味が対応しておらず、解凍には容積の増減の意味はないことなどから批判も多い。

一方、伸長や展開は、伸ばす、広げるという意味は合っているが、圧縮の逆の動作としての元に戻すという意味合いは薄いとの批判もあり、あまり定着していない。また、ファイルアーカイバでは複数のファイルを一つの圧縮ファイルにまとめることが多いため、その中から指定されたものを取り出して元の状態に戻すことを「抽出」ということもある(英語でもこの文脈では “extract” “extraction” を用いる)。

(2018.4.14更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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