半導体露光装置 【exposure system】 フォトリソグラフィ / photolithography

概要

半導体露光装置(exposure system)とは、半導体製造装置の中核的な装置の一つで、半導体基板を回路パターンが刻まれたマスクで覆って光を照射し、パターンを板面に焼き付ける装置。そのような工程を「フォトリソグラフィ」(photolithography)という。

シリコン(ケイ素)などでできた半導体ウェハwafer)の表面にフォトレジスト(photoresist)と呼ばれる感光剤を均一に塗布し、焼き付けたいパターンを刻み込んだレチクル(reticle)あるいはフォトマスク(photomask)と呼ばれる板を通してレーザー光など(X線、電子線、紫外線が用いられることもある)を照射する。

レチクルは回路を形成したい部分だけ光を透過するため、ウェハ上には回路パターンの形に光線が照射され、感光した部分だけが残留(ポジ型)あるいは除去(ネガ型)される。露光したウェハは表面に残ったレジストを薬品で洗い流し、必要に応じてエッチングや成膜などをって回路や素子を作り込む。

ステッパー/スキャナー

当初はウェハに近接したレチクルを固定して等倍のパターンを焼き付ける装置が使われたが、回路の微細化を進めるため、実寸より何倍も大きなレチクルを使い、ウェハ上を移動しながらレンズで縮小した像を投影していく装置が用いられるようになった。これを「ステッパー」(stepper)と呼び、現在では露光装置の代名詞のように用いられる。

さらに、レンズだけでなくウェハも移動させてどの場所も同じ条件で均一に露光がえるよう改良した装置が登場した。ウェハの移動装置を「スキャナー」(scanner)と呼ぶことから、このタイプの露光装置のことをスキャナーと呼ぶ場合がある。

(2018.10.9更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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