ロード/アンロード方式 【head load/unload mechanism】
HDD内では磁性体を塗布したガラスや金属でできたプラッタ(円盤)が高速で回転し、磁気ヘッドを近接させて信号の記録や書き込みが行われる。動作中はディスクの高速回転による効果でヘッドが表面からわずかに浮き上がっており、数十nm(ナノメートル)程度の隙間(ヘッドクリアランス)が生じる。
この隙間は動作開始直後など十分な回転数に達していない場合には生じないため、ディスク表面にヘッドが接触したまま回転することになる。記録面をこすりつけると摩耗や記録内容の破壊が起きることがあるため、従来のHDDでは面上にCSSゾーン(Contact Start/Stop zone)と呼ばれるヘッドの退避場所を用意していた(CSS方式)。
これに対し、ロード/アンロード方式ではディスクの最外周の記録領域外に「ランプ」(ramp)と呼ばれる傾斜した領域を設け、停止時や低速回転時にはヘッドがランプに乗り上げるような構造になっている。CSS方式よりもヘッドがディスク面をこする可能性を低減できる。停止中の耐衝撃性が高まることもあり、主にノートパソコン向けの2.5インチハードディスクなどを中心に採用されている。
(2018.11.13更新)