読み方 : ユークリッドきょり
ユークリッド距離【Euclidean distance】
概要
ユークリッド距離とは、空間内の二点間の直線的な距離のこと。我々が日常的に思い浮かべる距離の概念を数学的に定義したものだが、平面や3次元空間のような物理的な空間だけでなく、抽象的な高次元空間の距離として用いることもできる。

平面におけるユークリッド距離は、直角三角形の斜辺の長さを求めるピタゴラスの定理によって求めることができ、二点の間のx座標の差の2乗とy座標の差の2乗を足して平方根を取ればよい。3次元空間ではこれにz座標の2乗を加えるだけでよく、さらに抽象的な多次元空間でも二点間の直線的な距離に相当する指標として用いることができる。
統計解析や機械学習の分野では、様々な特徴量を並べた多次元ベクトルで個々のデータ点を表現することがあるが、その近さ(類似度)の尺度としてユークリッド距離を用いることがある。算出が容易で、空間内での直線的な距離として直感的に理解しやすいという利点がある。
ただし、物理空間ではどの成分も長さを表すのに対し、データ解析などの場合は特徴量によって単位や尺度が異なる場合がある。そのまま単純にユークリッド距離を算出すると値のスケールによって各成分の影響度合いに大きな差が付く場合がある。すべての変数を最大値や上限値に対する割合に変換するなど、何らかの標準化処理を行ってから適用するのが望ましいとされる。
(2025.12.12更新)