読み方 : ノーフリーランチていり

ノーフリーランチ定理【no free lunch theorem】

概要

ノーフリーランチ定理とは、数理最適化の定理の一つで、あらゆる問題に対して常に最良の性能を表す万能の最適化アルゴリズムは存在しないことを示すもの。特定の問題で最も優れた方法も、別の問題では最高の性能を保証することはできない。
ノーフリーランチ定理のイメージ画像

1995年に物理学者のデイビッド・ウォルパート(David H. Wolpert)とウィリアム・マクレディ(William G. Macready)が証明した定理である。「ノーフリーランチ」(タダ飯など無い)は英語の定型句で、コストを支払わずに価値のあるものを手にすることはできず、一見無償に見えるものも必ず何らかの代償を支払う羽目になるという格言である。

この定理は、数学的な問題を解く探索アルゴリズムについて、どのようなアルゴリズムであっても、すべての問題に適用した結果の平均性能は等しくなることを表している。特定の問題で極めて優れた性能を示したとしても、前提が異なる他の種類の問題では性能が悪化し、ありとあらゆる問題に適用して結果を平均すれば良い結果と悪い結果が相殺されてどれも同じ性能となってしまう。

万能アルゴリズムが存在しないことが確かな以上、ある問題領域に最も適したアルゴリズムは、その問題における前提条件や仮定、扱うデータの特性などを反映したモデルや手法を適切に組み合わせたものとなる。特定の問題に特化した工夫や調整を加えることが、実用的に最も優れた成果を得るための鍵となることを示している。

(2025.12.3更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。