サイバースクワッティング 【cyber-squatting】

概要

サイバースクワッティング(cyber-squatting)とは、企業名や商標、有名人の名前などを無関係な第三者がドメイン名として登録する行為。知名度を不正利用してビジネスを展開したり、転売やサイバー攻撃などを目的にわれる。

www.example.jp」といった形式のドメイン名Web上の場所を指し示すURLや、電子メールアドレスなどの一部として広く利用されている。インターネット上のドメイン名は他の利用者と重複しないよう管理組織に登録しなければならない。

ドメイン名は基本的には誰でも自由に好きな名前を登録できるうえ、早い者勝ちで登録がわれ、商標として保護の対象になっていない。このため、自分とは無関係な有名人、有名企業、有名商標などに関連するドメイン名を取得する「居座り」(squatting)行為が横行することになった。

こうしたドメイン名の使い道は占有者次第だが、名前の知名度を活かして勝手にECサイトなどのビジネスに利用したり、公式ドメインと勘違いしてアクセスする人にフィッシングなどのサイバー攻撃を仕掛けたり、高額で転売したりすることが多い。

紛争処理

近年では「.com」などのgTLDに関しては世界知的所有権機構(WIPO)の仲裁センターが、「.jp」で終わるJPドメインに関しては日本弁護士会連合会と弁理士会が共同で設立した工業所有権仲裁センターが裁定をい、悪質な場合は正当な所有権者のもとに権利を移転する措置が取られている。

法律でも対処できるよう、米国では1999年に反サイバースクワッティング消費者保護法(ACPA)が制定され、日本では2001年に不正競争防止法が改正されサイバースクワッティングに関する規定が追加された。占拠者があくまで争う場合は最終的には裁判に持ち込まれるが、国際的な紛争では管轄の問題がある。

(2024.9.3更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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