インターレースGIF 【interlaced GIF】

概要

インターレースGIF(interlaced GIF)とは、画像形式のGIF(Graphics Interchange Format)の拡張仕様の一つで、各画素のデータを表示順とは異なる順序に入れ替えて飛び飛びに記録していくことで、先頭から一部のデータを表示するだけで全体像が見渡せるようにしたもの。その仕様を用いたGIF画像ファイルを指すこともある。

テレビ放送などの「飛び越し走査」(インターレーススキャン)の原理を応用したもので、画素を端から表示順のとおり順番に記録するのではなく、一定間隔で飛び飛びに記録していく。低速の通信回線で大きな画像データを受信しながら表示すると、最初にモザイク状にぼんやりと全体像が現れ、データを受信するごとに次第に鮮明化していくように表示することができる。

テレビ放送や動画再生のインターレース表示では走査線を奇数列と偶数列に分けて交互に表示しているが、インターレースGIFでは記録・表示を4段階に分ける。最初に全体の1/8(上から8の倍数+1段目)を、次に1/8(8の倍数+5段目)を、3番目に1/4(4の倍数+3段目)を、最後に残りの半分(偶数番目の段)を処理する。

他の画像形式にも似た仕様があり、JPEGでは「プログレッシブJPEG」(progressive JPEG)、PNGでは「インターレースPNG」(interlaced PNG)と呼ばれる。現代では通信回線の速度が向上し、画像ファイルがなかなか読み込まれないという状況は少なくなったため、必要性は薄れている。

(2022.7.13更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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