n型半導体 【n-type secmiconductor】
概要
n型半導体(n-type secmiconductor)とは、半導体の種類の一つで、電荷を運ぶ担体(キャリア)に自由電子を用いるもの。高純度のシリコン(ケイ素:Si)やゲルマニウム(Ge)などの4価の物質の結晶中に、価電子数の多い5価のリン(P)やヒ素(As)を添加した組成がよく知られる。半導体とは、電気をよく通す「導体」と通しにくい「絶縁体」の中間の性質を持つ物質で、結晶中で原子間の化学結合を担う電子がところどころ過剰であるか欠落していることによってそのような性質が生じる。
n型半導体の内部では、結晶中に原子同士の結合に使われず余った電子(自由電子)が生じ、これが移動することによって電流が生じる。このとき、負(negative/-)の電荷を持つ電子が電気伝導を担うキャリアとなるので「n型半導体」と呼ばれる。
これに対し、電子が欠落した穴のような構造である「正孔」(ホール)が正(positive/+)の電荷を伝えるキャリアの役割を果たす半導体を「p型半導体」という。ダイオードやトランジスタなどの半導体素子は、n型半導体とp型半導体を組み合わせることで構成される。トランジスタの構造にはp型をn型で挟んだ「NPNトランジスタ」と、n型をp型で挟んだ「PNPトランジスタ」の2種類が知られている。
(2022.7.28更新)