読み方 : クリスプエムエル

CRISP-ML【Cross-Industry Standard Process for Machine Learning】

概要

CRISP-MLとは、機械学習プロジェクトを体系的に進めるための業界横断的な標準モデル。業務に用いる機械学習モデルの構築・運用のプロセスを標準化したもので、ビジネス理解から運用・改善までの工程を整理し、再現性と効率性を高める。
CRISP-MLのイメージ画像

データ分析のプロセス標準である「CRISP-DM」を基に、機械学習固有の要求を組み込んで拡張したものである。業種や職種、データの種類や分析の目的を問わず、様々な分野や業界で利用できる汎用的な分析プロセスの標準を定義している。

一度の機械学習モデル導入を行うための直線的なプロセスではなく、必要に応じて前の段階に戻ったり、新たに得られた知見をモデルに反映するといった継続的、循環的な活動を想定している。主要な段階(フェーズ)として以下の6つが定義されている。

  1. ビジネスとデータの理解(business and data understanding) … ビジネス目標を設定し学習データを収集する。
  2. データ準備(data engineering/preparation) … データの加工や調整、特徴量選択などモデル作成の準備をする。
  3. 機械学習モデル作成(ML model engineering) … モデルの種類やアルゴリズムを選択し、データにより学習を行う。
  4. 機械学習モデル評価(ML model evaluation) … モデルの性能を検証し、要件を満たすか判定する。
  5. モデル展開(model deployment) … 本番環境へモデルを展開し、利用者が使用可能な状態にする。
  6. 監視と保守(monitoring and maintenance) … 実環境でのモデルの性能を計測し続け、必要に応じて新しいデータの収集や再学習を実施する。
(2025.12.11更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。