CMOSクリア 【CMOS clearing】 CMOS reset

概要

CMOSクリア(CMOS clearing)とは、コンピュータの主基板(マザーボード)に永続的に記録された設定情報を消去し、工場出荷時の初期状態に戻す操作のこと。

コンピュータ内部の装置はマザーボードに内蔵されたBIOS(あるいはUEFI)と呼ばれるプログラムが制御しており、利用者が起動時に設定画面を開いて動作設定などを変更することができる。設定内容は専用の不揮発メモリに記録され、電源を落としても消えずに残る。

CMOSクリアはこのBIOS設定を初期状態に戻す操作で、マザーボードの機種によって操作手順は異なるが、基板上のジャンパピンの配置を変更したり、記録を維持するための電力を供給しているリチウム電池を引き抜いて入れ直すといった物理的な作業を要することが多い。

CMOSクリアは内部の装置の入れ替えやBIOS設定の変更によって深刻な不具合が生じ、起動時に画面に何も映らず一切操作を受け付けない場合など、他に回復する方法が無い状況で行われることが多い。通常の使用環境で必要になることは稀である。

(2021.11.30更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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