読み方 : せんけいかんすう

線形関数【linear function】

概要

線形関数とは、入力と出力が直線的な関係を持つ関数。式で表すと入力に係数を乗じて足し合わせた一次式で表されるような関数である。
線形関数のイメージ画像

入力が一つの最も簡単な形式だと f(x)=ax+b (aとbは定数)のように表される関数で、平面上にグラフとして描画すると直線となる。多変数の場合は f(x)=a1x1+a2x2++anxn+b のように各入力に係数を乗じた一次の項の和として表される。入力の累乗対数、指数関数、三角関数などの曲線的な関係は含まない。

統計解析では、線形回帰や線形分類モデルなどが与えられたデータの特徴を表すのに線形関数を用いる。ある入力データ特徴量に重みをかけ、バイアス(定数)を足し合わせることで、目的とする出力を予測する。

ニューラルネットワークでは、上層の各ノードからの出力値は、それぞれ係数を乗じて加算した線形関数の形で下層のノードに伝達される。係数の大きい項は計算結果に大きく寄与し、逆に小さい項は結果に与える影響が小さい(ゼロならば無視される)。係数の大きさがノード間の繋がりの強さを表しており、学習データを用いてこれを調整することが学習プロセスの中心となる。

(2025.12.5更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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