無線LANスイッチ 【wireless LAN switch】
概要
無線LANスイッチ(wireless LAN switch)とは、オフィスや学校など大人数で無線LAN(Wi-Fi)を利用する際に、複数台の無線LANアクセスポイント(Wi-Fiアクセスポイント)を遠隔から管理し、すべての通信を集約して中継する装置。無線LANでは「アクセスポイント」(AP:Access Point)と呼ばれる固定的に設置された中継装置と各端末が交信し、端末間で通信したり、構内の有線LANへ接続する。一台がカバーする面積や同時接続数には限りがあるため、大きな施設では多数のAPを設置して運用する必要がある。
無線LANスイッチは施設内のAPを一元的に管理する機器で、各APと有線で接続され、SSIDや周波数チャネル、電波出力などの無線設定が矛盾・競合しないよう遠隔から管理する。通信状況を常に監視し、負荷分散や端末のアクセスポイント間の移動(ローミング)を行なうこともできる。
各APはすべての通信を無線LANスイッチへ転送し、有線LANや他のAPとの接続は無線LANスイッチを介して行われる。認証や暗号化などの機能もAPではなく無線LANスイッチに集約されている。一方、APの遠隔管理のみを行い、端末はAPを介して自由に外部と通信できる管理機器もあり「無線LANコントローラ」と呼ばれる。
業務用ネットワーク機器最大手の米シスコシステムズ(Cisco Systems)社が「Wireless LAN Controller」の名称で無線LANスイッチに相当する機器を提供していることもあり、「無線LANコントローラ」と「無線LANスイッチ」は混同されがちで区別が曖昧な状況となっている。
(2024.7.2更新)