互換CPU 【compatible CPU】 互換プロセッサ / compatible processor / 互換MPU / compatible MPU
概要
互換CPU(compatible CPU)とは、あるCPU製品と同じ命令セットを実装し、代わりに使用することができる他社製CPU製品のこと。もとのCPU向けに開発されたソフトウェアをそのまま動作させることができる。オペレーティングシステム(OS)をはじめとする多くのコンピュータプログラムはネイティブ形式で配布・提供されており、特定の機種のCPUの命令体系(命令セット)に則って記述されている。異なる命令体系のCPUのもとでは正しく動作しない。
あるCPUと同じ命令セットを持ち、そのCPUと同じようにプログラムを実行できるCPUを互換CPUという。通常、同じメーカーの同じ製品系列のCPU同士は命令セットを共有していて互換性があるのが当たり前なため、「互換CPU」とあえて言う場合は互換性を持つ他社製のCPUを指す。
マザーボードに装着するための端子(ピン)の形状や配列、電気信号の形式など物理的な仕様まで完全に揃え、元の製品をそっくり置き換えることができるよう設計されたものと、同じソフトウェアが動作するが物理的な仕様は独自のもの採用している製品の二種類がある。
オリジナルの製品より性能あたりの価格が安い点をアピールする製品が多いが、独自の機能や拡張命令などを実装し、オリジナルの製品より高機能である点を売りにする製品もある。米AMD社の「x86-64」のように、互換CPUとして出発しながら独自仕様が本家の米インテル(Intel)社製品よりも市場に広く受け入れられ、本家が逆に仕様を模倣するようになる例もある。
(2024.7.30更新)