ランダム早期検出【RED】ランダム初期検知 / Random Early Detection / ランダム初期廃棄 / Random Early Discard

概要

ランダム早期検出（RED）とは、ルータやネットワークスイッチなどの中継機器が輻輳を回避するための機能の一つで、送信待ちパケットをためておく記憶領域の空き容量の逼迫度合いに応じて、着信したパケットをランダムに間引くこと。

ルータやスイッチの内部には半導体メモリなどで構成される記憶装置が内蔵されており、着信したフレームやパケットを貯めておいて次の転送先に送信するようになっている。この待ち行列のことをキュー（queue）という。

ネットワークが混雑して着信するパケットが増えると、送信が受信に追いつかなくなり、次第にキューの空き容量が逼迫してくる。ランダム早期検出では、残り容量が一定の割合を切ったら、空き領域の狭さに応じた確率で着信したパケットを破棄する（ランダムドロップ）。

空き領域に余裕があれば確率は0ですべてのパケットを受け入れるが、空きが無くなってくると次第に破棄する確率が上がっていく。空き領域が枯渇すると確率は1（100%）となり、送信が進んで余裕ができるまですべての着信パケットがそのまま破棄される。

派生方式で、すべてのパケットを同じ確率で破棄するのではなく、QoSの優先度を反映させて低い優先度のパケットを多めにドロップする方式を「WRED」（Weighted RED：重み付きランダム早期検出）という。また、ランダムドロップを行なわず、空き領域が満杯になるまでパケットを受け入れ続け、空きが無くなったらすべてのパケットを破棄する方式を「テールドロップ」という。

(2022.1.26更新)