ドットコムバブル 【dot-com bubble】 .comバブル / インターネットバブル
概要
ドットコムバブル(dot-com bubble)とは、1999~2000年頃にアメリカを中心に起こった、情報技術(IT)やインターネット関連の新興企業をめぐる経済的熱狂。一般的には2000年3月を頂点とする米株式市場における関連企業の上場ラッシュや株価の暴騰とその後の暴落を指す。1995年頃からインターネットが一般に開放され、急激な普及が始まる中、1990年代後半にネットを利用して新しい事業を立ち上げようとするベンチャー企業が多数現れた。それらは、インターネット上での識別名であるドメイン名の末尾に、商用(commercial)を意味する「.com」(ドットコム)を冠したものを好んで使い、それをそのまま社名にする企業も多かったことから、「ドットコム企業」(dot-com company)と呼ばれた。
インターネットが人々の生活やビジネスを一変させるという期待感はやがて熱狂を生み、事業の実績や収益などの裏づけの無い企業でもネット関連である喧伝するだけで莫大な額の資金を調達し、また容易に株式を公開することができるようになった。次第にドットコム銘柄は個別の業績や将来性とは無関係に暴騰するようになり、多くの「ネット株長者」を生み出したが、2000年3月にピークを付けると一転して暴落を始め、バブルは崩壊した。
日本のITバブル
米ドットコムバブルと同時期の1990年代末から2000年初頭にかけて、日本でもITやインターネットに関連する企業の株価を中心とするバブル的な熱狂が発生した。一般的には「ITバブル」と呼ばれる。
米国同様、インターネット事業をうたう多くのベンチャー企業に巨額の資金が流れ込み、次々に上場したほか、通信やコンピュータ、電機、半導体などに関連する既存企業の株価も業績や合理的な水準を無視して熱狂的に値上がりした。
1998年の金融危機などで低迷していた日経平均株価が2万円台を回復するなど一時は活況に沸いたが、米バブル崩壊直後の2000年4月をピークに株価は暴落しはじめ、バブルは終焉した。その影響で生じたとされる以降数年に渡る不況期は「IT不況」と呼ばれる。
(2018.9.14更新)