読み方 : コールドスタートもんだい

コールドスタート問題 【cold start problem】

概要

コールドスタート問題(cold start problem)とは、過去の記録や履歴を利用するシステムなどで、開始直後には十分なデータが蓄積されていないために正しく機能しない問題。ネットサービスのレコメンド機能などで見られる。

解説 例えば、ECサイトの「おすすめ」表示機能として、過去に蓄積された利用者の購入履歴を分析して、似た属性の別の利用者の購入した商品を推薦する「協調フィルタリング」が用いられることがあるが、サービス開始直後は履歴データが蓄積されていないため、推薦が正しく機能しない。これをコールドスタート問題という。

サービスの開始直後はすべての利用者で履歴が存在しないため全般的に推薦が機能しないが、データの蓄積が進んでも、新たな利用者の登録直後はまだ何も購入していないため、その利用者についての推薦が機能しない場合がある。また、商品の属性情報を利用する場合でも、購入者の評価やレビューを利用している場合は、販売開始直後の商品について同様の問題が生じる。

コールドスタート問題を緩和するため、履歴がなくても利用できる商品の属性情報を分析して、共通点のある商品を推薦する「コンテンツベースフィルタリング」を併用したり、利用者の加入時にプロフィール情報を入力してもらい、新規利用者にはプロフィールに共通点のある利用者の履歴から商品を推薦するなどの手法が用いられることがある。

(2025.10.2更新)