IGZO 【In-Ga-Zn Oxide】 IGZO液晶

概要

IGZO(In-Ga-Zn Oxide)とは、液晶パネルや有機ELパネルなどに用いられる半導体材料の一つで、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)の酸化物(Oxide)で構成された化合物。

液晶材料としてのIGZOはアモルファス(非晶質)シリコンを用いた従来の素子に比べ電子移動度が数十倍と大きく、トランジスタや配線の微細化が進めやすいため、同じ透過度なら約2倍の高精細なパネルを作成することができる。

また、画素の電流が遮断されても一定時間は表示内容を維持する特性があり、こまめに電力制御を行えば静止画像を表示した状態で消費電力を5~10分の1に節約できる。通電時間の短縮により、タッチパネルの接触検知の精度を悪化させる電磁ノイズの発生も抑えられる。

1985年に当時の科学技術庁無機材質研究所の君塚昇博士が初めて合成し、2004年に科学技術振興機構(JST)支援のもと、東京工業大学のチームが初めて薄膜トランジスタTFT)の作成に成功した。主要な特許の多くをJSTが取得している。

商業的には2012年に初めてシャープが量産および液晶パネルとしての製品化に成功し、以降同社では「IGZO」の名称を高性能液晶パネル製品群のブランドとして積極的にプロモーションしている。同社以外の大手メーカーもIGZOを利用しており、韓国LGの大型有機ELディスプレイOLED)などがよく知られる。

(2022.4.4更新)

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