Retinaディスプレイ 【Retina display】
概要
Retinaディスプレイ(Retina display)とは、米アップル(Apple)社の製品に搭載されている高精細な液晶ディスプレイ。“retina”とは「網膜」の意味で、画素が細かすぎて人間の目では一つ一つ識別できないという意味が込められている。従来の一般的な液晶ディスプレイは画素密度が70~100ppi(ピクセル毎インチ)程度が一般的で、一つの画素(ピクセル)の物理的な大きさは0.3mm角程度となり、視力の良い人が画面に目を近づけてよく見ると画素が縦横に並んでいる様子を見ることができた。
一方、Retinaディスプレイは初期の製品で326ppi(0.08mm角)と極めて細かな画素で画面を構成するため、肉眼で画素を個別に識別することはほとんど不可能で、印刷物や自然界の光景に迫る高精細な表示をコンピュータの画面上に現出させることに成功した。
2010年のiPhone 4に初めて搭載され、以降のiPhone/iPadなどで広く採用された。2012年からはMacシリーズにも採用されている。HD解像度に対応した一部製品は「Retina HD」「Liquid Retina HD」、表示方式に有機ELディスプレイ(OLED)を採用し450ppiを超える画素密度を実現した製品は「Super Retina HD」「同XDR」の名称で展開されている。
「Retinaディスプレイ」という商標で展開される高精細ディスプレイはApple社のみのものだが、近年では他社製品にも300ppiを超える液晶画面を備えた携帯機器などがあり、Retinaディスプレイ相当の高解像度を利用することができるようになってきている。
(2022.6.10更新)