読み方 : レティナディスプレイ

Retinaディスプレイ【Retina display】

概要

Retinaディスプレイとは、米アップル(Apple)社の製品に搭載される高精細ディスプレイのブランド名。“retina” は眼球の「網膜」を意味し、画素が細かすぎて人間の目では一つ一つ識別できないという意味合いが込められている。2010年発売のiPhone 4で初めて採用され、以後iPadやMacなど同社製品へ幅広く展開されている。
Retinaディスプレイのイメージ画像

従来の一般的な液晶ディスプレイは画素密度が70~100ppi(ピクセル毎インチ)程度で、一つの画素の大きさは0.3mm角程度だった。これは視力が良好な人であれば画面に目を近づけると画素が格子状に並ぶ様子を視認できるサイズである。

これに対し、Retinaディスプレイは初期の製品でも326ppi(0.08mm角)という極めて高い画素密度で画面を構成し、通常の視距離では画素を個別に識別することがほとんどできない。文字の輪郭や写真の細部が滑らかに表示され、印刷物や自然界の光景に迫る精細な表示をパソコンや携帯機器の画面上で実現している。

このような高精細表示を実現するにあたっては、単に画素数を増やすだけでなく、画面上の複数の物理ピクセルを束ねて、表示しようとする論理ピクセルに対応付けるスケーリング処理が行われており、アイコンなどの表示要素の見た目上の大きさを従来通り維持しながら、より精細な表示を実現している。

現在の同社製品では、ディスプレイの方式や機能に応じて複数の名称が使い分けられている。液晶を基盤とする製品には「Liquid Retina」、有機EL(OLED)を採用しHDR表示や広色域に対応した製品には「Super Retina XDR」、ミニLEDバックライトにより高輝度・高コントラストを実現した製品には「Liquid Retina XDR」の名称が用いられている。例えば、iPhone 17 Proは460ppiのSuper Retina XDRディスプレイを搭載し、MacBook Proは254ppiのLiquid Retina XDRディスプレイを搭載する。

「Retinaディスプレイ」という名称での展開は同社に限られるが、他社製品にも300ppiを超える高精細な表示が可能なスマートフォンや液晶ディスプレイが普及しており、同等以上の精細さで画面を表示できる環境は一般的となっている。

(2026.9.10更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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