BSDライセンス 【Berkeley Software Distribution License】 BSDL
概要
BSDライセンス(Berkeley Software Distribution License)とは、オープンソースソフトウェアを開発・配布する際によく用いられる、利用条件などを定めた利用許諾契約書(ライセンス)の一つ。米カリフォルニア大学バークレー校がソフトウェア配布に用いていたライセンスが広く一般に広まったもの。何度か改訂されているが、現在最も一般的な版(修正BSDライセンス、3条項BSDライセンスとも呼ばれる)では、「開発者・配布者がいかなる保証も提供しないこと」「損害が生じても責任を負わないこと」「再頒布時に著作権表示とライセンス表示を含めること」「派生物の宣伝に開発者や配布者の名前を無断で使ってはならないこと」を定めている。
派生的著作物との関係
BSDライセンスで公開されたプログラムを改変したり、自らのプログラムに組み込んだ派生的(二次的)な著作物は、ソースコードを公開せずに販売・配布したり、BSDライセンスとは異なるライセンス(独占的なライセンスを含む)で提供することができる。
GPL(GNU General Public License)などのいわゆる「コピーレフト」(copyleft)条項のあるライセンスではこうした行為は禁じられており、派生著作物のソースコードも同じ条件で公開しなければならない。これは商業利用などでハードルとなる場合があるため、この点を好んでBSDライセンスを採用する開発者も多い。
BSDライセンス以外にも、主に非コピーレフトである点でBSDライセンスに似た構成のライセンスは数多くあり、「BSDスタイル」と総称されることもある。著名なものには、アパッチソフトウェア財団(Apache Software Foundation)に由来する「Apacheライセンス」(Apache License)、米マサチューセッツ工科大学(MIT)に由来する「MITライセンス」(MIT License)などがある。
歴史
BSDライセンスは米カリフォルニア大学バークレー校(UCB)で開発・配布されたUNIX系OSおよび関連ソフトウェアである「BSD」(Berkeley Software Distribution)に添付されていたライセンスで、1989年に公開された「4.3BSD Net/1」で初めて採用された。初期の版には派生物の広告に原著作者の表示を義務付ける条項などもあったが、1998年に概ね現在の内容となった。