読み方 : はつめい

発明【invention】

概要

発明とは、これまで存在しなかった新しい物や方法などを考案すること。また、その結果生み出された創作物。技術的に高度で有用な新規の創作には、特許法に基づく独占的な実施権が与えられる。
発明のイメージ画像

語義としては何か新しい構造物や方法などを考え出すことを指すが、現代では特許法が定める技術的な創作物を指すのが一般的である。特許法が対象とする発明とは「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義され、道具や機械などのモノ、モノの作り方、何かを行う方法などが含まれる。

特許法上の発明には、自然法則そのものや、自然科学に含まれない数学や論理学などの理論、人間の精神的活動のみから成るものなどは含まず、技術として具体的に実施可能な形で記述される必要がある。新規性進歩性、産業上の利用可能性といった要件を満たす必要があり、これらの審査を経て特許庁が特許権を付与する。

特許が認められるには発明が公知(広く公開されていること)であってはならず、学会発表や論文、メディア記事などの形で公表済みの技術は申請できない。また、申請された特許の内容は公開され、誰でも詳細を知ることができる。発明の公開と独占的な実施権が交換条件となっており、発明の奨励と社会や産業への技術の還元のバランスを取っている。

企業の知的財産権戦略では、発明を特許化して他社による利用を阻止したり、ライセンス料を得て利用を許諾することがよく行われるが、こうした特許制度の性質を利用して、他社に特許化されないようあえて公表して公知にしてしまったり、絶対に他社に知られたくない発明を特許申請せずに企業秘密とすることもある。

(2025.12.4更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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