プロンプトエンジニアリング【prompt engineering】
概要

LLMによるAIチャットや、画像生成、動画生成、プログラム生成などのAIシステムは、英語や日本語など利用者が普段使っている自然言語による質問や指示文(プロンプト)を与え、対応する内容を生成させる。同じような指示文でもわずかな違いで出力内容が大きく変化することがあり、モデルの特性に応じて適切な指示文を設計する能力が問われる。
これを体系的に行うのがプロンプトエンジニアリングで、指示文の形式や情報の順序、制約条件の示し方、望ましい出力内容の描写などを調整することで、出力精度や一貫性を高めることを目指す。サービス側がモデルを改善する技術ではなく、モデルを所与として利用者側で出力品質を高める戦略である。
例えば、「あなたは日英翻訳の専門家です」など役割を与えたり、「500字以内で記述してください」「箇条書きでまとめてください」など制約を設けたり、「想定ユーザーは中高年男性です」など背景情報を与えたり、「ステップバイステップで考えてください」など思考の手順を指示するといった手法が考案されている。
同じチャットAIでも、プロンプトの与え方によってデータ分析アシスタント、マーケッター、カウンセラーなど様々な役割を演じさせることができ、複数のアプリケーションを使い分けるように、目的に応じてプロンプトを使い分ける手法が定着しつつある。プロンプトの自動生成や最適化を行う手法も研究されており、モデルの性能向上とともにプロンプト設計の体系化が進んでいる。
一方で、ある提供元のモデルに有効な手法が他社のモデルにはあまり効果がなかったり、モデルの性能が向上するに従って、前のモデルでは有効だったテクニックが不必要になる例も見られる。技術としての一貫性や汎用性を疑問視する向きもあり、モデルが十分な能力を得るまでの過渡期の技術であるとする指摘もある。