標準関数 【standard function】

概要

標準関数(standard function)とは、プログラミング言語などの仕様にあらかじめ用意されている関数のこと。言語処理系に実装が組み込まれた「組み込み関数」や、ライブラリとして提供される「標準ライブラリ関数」などの総称。

多くのプログラミング言語は、関数サブルーチンクラスなど部品化された機能単位を組み合わせて複雑なプログラムを作成する仕組みを持っている。ある言語で利用できる関数のうち、言語仕様に規定されており、どんな処理系環境でも同じように利用できるものを標準関数という。

言語によって何が用意されているかは異なるが、基本的・汎用的な文字列操作や算術演算入出力などの関数が提供されていることが多い。オブジェクト指向言語の場合は、標準クラスや標準オブジェクト、およびそれらに付随する標準メソッドが同様の役割を果たす。

標準関数のうち、コンパイラインタプリタなどの言語処理系自体に組み込まれて提供されるものを「組み込み関数」「ビルトイン関数」などという。一方、部品化されたプログラム集であるライブラリの形で処理系に付随して提供されるものを「標準ライブラリ関数」という。

どちらを用いるかは言語の設計方針によって異なっており、スクリプト言語などでは処理系自体に豊富な組み込み関数を用意することが多いが、C言語などのように言語仕様および処理系の仕様は極力シンプルに保ち、ほとんどの標準関数をライブラリの形にまとめて提供する言語もある。

これに対し、開発者が自らのプログラム上で独自に定義・実装した関数を「ユーザー定義関数」(user-defined function)という。SDKなど特定の用途や環境でのみ利用可能な関数などもユーザー定義関数として実装されて提供される。

(2024.2.5更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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