リモートワイプ【remote wipe】遠隔消去
概要

端末が手元を離れた際、管理者や所有者が専用の管理サービスや管理コンソールから消去命令を発行すると、移動体通信網(携帯電話網)やWi-Fiを通じて端末に指示が届き、内部データが削除されてシステムが工場出荷時の状態に初期化される。
この機能が有効に働くのは、端末が外部と通信できる状態にある間に限られる。電池切れで電源が落ちていたり、拾得者や窃盗者がSIMカードを抜いたり機内モードに切り替えたりして通信を遮断した場合、消去命令は届かない。端末が通信可能な状態に戻った時点で実行される仕組みの場合もあるが、管理機能ごと無効化されると消去が行えないこともある。そのため、紛失や盗難を把握したら速やかに対応することが求められる。
これに対し、画面ロックの解除やパスワードの入力を一定回数連続して誤ると端末が自動的に内部データを消去して初期化する機能を「ローカルワイプ」(local wipe)という。外部からの命令を必要とせず、通信状態に関わらず動作するため、総当たりによる不正なロック解除の試みに対して有効な防御策となる。
企業や官公庁では、モバイルデバイス管理(MDM)やパソコンを含めた統合エンドポイント管理(UEM)の仕組みと組み合わせて運用されることが多い。管理者が専用システムで複数の端末を一元的に管理し、必要に応じて画面ロックや位置確認、データ消去などを実施できる。近年では、データを暗号化したうえで暗号化キーを破棄することで事実上のデータ消去を瞬時に行う手法も普及しており、大容量ストレージを持つ端末でも短時間で処理を完了させることが可能になっている。
(2026.7.13更新)