リモートワイプ 【remote wipe】 遠隔消去

概要

リモートワイプ(remote wipe)とは、携帯電話やスマートフォン、ノートパソコンなど持ち運び型の情報端末に記録されているデータを、通信回線を通じた遠隔地からの指示により消去すること。また、端末の持つそのような機能。

紛失や盗難などにより意図せず端末が手元を離れてしまった際に利用される機能で、端末に記録された個人情報や機密データなどが外部に漏洩するのを防ぐために行なう。端末内のデータは消去され、設定などは工場出荷時の状態に初期化される。

端末にはあらかじめパスワードなどを設定しておき、移動体データ通信(携帯電話網)を通じてパスワードを送信して指示を発行、中身を完全に消去する。外部との通信が有効な間のみ利用でき、電池切れなどで停止したり、端末を拾得したり盗んだ者が外部との通信を遮断してしまうと遠隔から消去することはできない。

ローカルワイプ (local wipe)

携帯機器の盗難・紛失対策で、利用者認証やロック解除などを一定回数間違えると自動的に端末が初期化され、内部のデータなどが消去される機能を「ローカルワイプ」(local wipe)という。

スマートフォンタブレット端末などは一定時間操作がないと画面を操作できないよう「ロック」状態に変更し、解除するにはパスワードやパスコードの入力、指紋認証などを要求するよう設定することができる。

利用者があらかじめローカルワイプを有効に設定した端末では、パスコード入力などのロック解除操作を連続して何度か間違えると、本来の利用者以外がロック解除を試みたとみなし、内部のデータを消去して工場出荷時の状態に初期化する。何回失敗したらリモートワイプを発動するかといった設定は利用者が事前に選択することができる。

(2022.5.10更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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