フリーアクセスフロア【raised floor】OAフロア/フリアク

概要

フリーアクセスフロアとは、建築物の床構造の一種で、床下全体に配線用の空間を設けた二重床のこと。電源ケーブルや通信ケーブルを床下にまとめて収容でき、配線の敷設や変更、レイアウト変更に伴う機器の移設が容易になる。オフィスやコンピュータ室などで幅広く採用されている。
フリーアクセスフロアのイメージ画像

躯体本来の床面の上に高さ数センチメートルから十数センチメートルの支柱を格子状に配置し、その上にパネル状の板材を敷き詰めて床面を構成する。支柱と板材が一体になったブロック状の部材を用いる製品もあり、パネルには床下の配線を引き出すための穴やくぼみが設けられている。

パネルの上にはタイルカーペットなどを敷いて仕上げることが多く、継ぎ目が目立ちにくくなる。設置方式には、支柱の高さを調整できるタイプのほか、床に置くだけで施工できる置敷タイプ、配線溝を備えたパネルを直接敷き並べる溝型タイプなどがある。近年では耐震性に優れた製品や、再生樹脂を使った環境負荷の低い資材も採用されている。

床下にケーブルを収めることで、机や棚の配置によらず室内の任意の場所にパソコンや通信機器を設置できる。歩行時にケーブルへ足を取られたり、機器の下敷きになって断線したりする事故を防ぎやすく、配線が室内に露出しないため見た目も整い、埃の蓄積によるトラッキング火災の予防にもつながる。レイアウト変更や機器の増設の際も、パネルを外すだけで配線工事を行える。

床下の高さは用途によって異なり、コンピュータ室やデータセンタなどでは電源や通信設備に加えて空調設備も収容するため、床下空間を大きく確保することがある。サーバラックのような重量機器を設置する環境では、一般的なオフィス向けよりも耐荷重性能の高い仕様が求められる。国土交通省の公共建築工事標準仕様書では、事務室や電子計算機室を対象に、耐荷重性能や耐衝撃性能、ローリングロード性能、耐燃焼性能などの試験方法や基準が定められている。

もとは大型コンピュータを運用する電子計算機室を中心に普及し、その後パソコンやネットワーク機器の普及とともに一般のオフィス環境にも広がった。既存の居室に後から導入すると出入口や廊下との間に段差が生じる問題があり、かつてはスロープの設置などで対応する必要があった。近年の新築オフィスビルでは、建築段階から床下を深く掘り下げてフリーアクセスフロア仕様とすることで、段差が生じない設計が主流となっている。

(2026.9.5更新)
 

資格試験などの「フリーアクセスフロア」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
【令7】 床下にネットワーク配線などのために一定の高さの空間をとり,容易に取り外しが可能なパネルを床板として並べたものはどれか。
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。