フリーアクセスフロア 【raised floor】 OAフロア / フリアク
概要
フリーアクセスフロア(raised floor)とは、オフィスビルなどの床の構造の一種で、床下全体に配線などのためのわずかな空間を設けた構造のこと。ケーブル類の配線の敷設や繋ぎ替えの容易化、踏みつけや折り曲げなどの防止、美観の向上などの効果がある。建物本来の床面(躯体の床)の上に高さ数cmから十数cmの支柱を碁盤目状に配置し、その上に板材を敷き詰めて二重構造の床としたもので、空間内に電源ケーブルや通信ケーブルを自由に配線することができる。
板材には穴や切れ込みがあり、空間内に配線されたケーブルの末端を容易に床上に引き出すことができるようになっている。支柱と板材が一体になったブロック状の部材を使用する場合もある。パネルの上部にさらにカーペットやタイルを敷いて継ぎ目などが目立たないよう仕上げることもある。
ケーブル類を床下の空間で取り回すことにより、机や棚などの配置によらず室内のどこにでも電気機器や通信機器を設置することができ、また容易に別の場所に移動させることができる。また、人が歩く際に引っ掛けたり、重量物の下敷きになったりして断線する事故を防ぐことができる。ケーブルを接続部以外床下に収納して人のいる空間から隠すため、見た目もすっきりして埃なども溜まりにくくなる。
既存のオフィスに後からフリーアクセスフロアを導入すると部屋の出入り口付近などに本来の床面との段差ができる問題があるが、近年では新築のオフィスビルなどで最初から床をフリーアクセスフロアとして仕上げることでこの問題が生じないようにしていることが多い。
(2021.7.23更新)