IT革命 【ICT revolution】
概要
IT革命(ICT revolution)とは、コンピュータやソフトウェア、データ通信回線などの情報技術(IT:Information Technology)の発展と普及に伴い、社会の様々な側面に急激に押し寄せる不可逆で巨大な変化のこと。情報革命(information revolution)という言葉は昔からあり、主に1950年代に始まる企業活動へのコンピュータや通信技術の導入、活用による産業構造の変化、情報を中心とする経済体制の構築のことを指していた。
一方、(日本における)IT革命という場合には、1990年代後半のパソコンやインターネット、携帯電話などのオフィスや家庭への急激な普及とそれに伴う経済や社会、生活の変革のことを指す。巨大な変化は2010年代に入っても継続しており、経済活動から家庭生活、行政や政治のあり方に至るまで、前世紀には考えられなかった状況が出現している。
情報の入手・流通の効率化や、携帯端末と無線通信によりいつでもどこでも情報取得や通信が可能な環境の整備、電子商取引などによる利便性の向上といった好ましい変化も多数生じた反面、ハイテク犯罪、プライバシーや個人情報の漏洩や悪用、社会の分断や対立の先鋭化、情報技術を活用できる者とそうでない者の格差(デジタルデバイド)など、負の側面も多くある。
「IT革命」という語は1990年代末に流行語になり、2000年の新語・流行語大賞を受賞した(同時受賞は慎吾ママ「おっはー」)が、2000年代前半にパソコンやインターネットの普及が一段落すると同時に次第に用いられなくなっていった。英語圏では “IT revolution” という表現はあまり一般的ではなく、“ICT revolution” (ICT:Information and Communication Technology、情報通信技術)あるいは “digital revolution” などが近い意味を持つ。
(2018.4.12更新)