ECM 【Enterprise Content Management】 エンタープライズコンテンツ管理

概要

ECM(Enterprise Content Management)とは、企業などで業務上取り扱う文書ファイルや各種のメディアデータなどを包括的・体系的に保管・管理する方式や、そのための情報システム

従業員が業務においてコンピュータで取り扱う情報には、データベースのようにコンピュータによる自動処理を前提に構造化されているものと、帳票類やワープロ文書、電子メールなどのメッセージ、撮影した写真、録音した音声など、主に人間が閲覧するために記録・作成される構造化されていないもの(非構造化データ)がある。

従来、後者の非構造化データの保管や管理はパソコンOSの機能などを用いて属人的、場当たり的にわれることが多かったが、データの散逸や喪失、重要な情報の外部漏洩などの問題が起きやすく、また、必要な情報を探し出す手間などが業務効率の低下を招いていた。

ECMではこれらの様々なデータを収集して一元的に保管し、所在や種類、作成者、更新日時、内容の索引付けなどをって簡単に一覧、検索、取得などができるようにする。また、適切なアクセス管理をい、権限のない者が機密情報の閲覧や改竄などをえないようにする。

また、データベースや各種業務システムとの連携・統合や、装置間や拠点間のデータバックアップアーカイブ化、Webサーバと連携してWebコンテンツ管理をう機能などが提供される場合もある。紙の書類や帳票スキャンしてデジタル化する機能や、決裁文書の起草や回覧、承認のシステム化など、文書管理システムワークフローシステムの機能を内包する製品も多い。

ECMの導入により日常的な業務や情報管理の効率化や省力化が可能なほか、コンプライアンス対応や監査に必要な情報の保全やアクセスにも対応でき、対外的には法制度上義務付けられたデジタルデータの保管や開示(日本のe-文書法や米国のe-Discovery制度など)へも柔軟に対応できるようになる。

(2019.2.18更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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