APIC 【Advanced Programmable Interrupt Controller】

概要

APIC(Advanced Programmable Interrupt Controller)とは、x86系CPUを搭載したコンピュータで用いられる割り込みコントローラの仕様。米インテル(Intel)社が開発し、いわゆるPC/AT互換機(Windowsパソコン)で標準的に利用されている。

CPUが専用の信号線を用いて外部の装置から通知を受け付け、実行中の処理を中断して要求された処理を行う仕組みを「割り込み」(interrupt)という。コンピュータには割り込みを制御するための割り込みコントローラが内蔵されている。

APICは1992年に発売された同社の割り込みコントローラIC「82489DX」で採用された仕組みで、CPU側の「LAPIC」(Local APIC)と、I/O装置側の「I/O APIC」という2つの回路が接続され、協調して動作する仕組みとなっている。

それ以前の割り込みコントローラ(PIC:Programmable Interrupt Controller)は単一のCPUを前提に動作していたため複数のCPUが並列に動作するマルチプロセッサ構成には対応できなかったが、APICでは複数のCPUに割り込み処理を割り振ることができる。割り込みの優先度に基づいて空いているCPUに割り込み信号を送信するといった制御にも対応する。

初代の82489DXはi486プロセッサ向けでLAPICとI/O APICがワンチップの統合されていたが、i486の後継のPentiumからはLAPICがCPU側に内蔵されるようになったため、二代目の「82093AA」以降はI/O APICのみ搭載している。2000年発売のチップセット「Intel 815」以降はチップセットにI/O APICの機能が内蔵されるようになり、単体のコントローラICとしては提供されなくなった。

(2023.10.13更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。