草書体

概要

草書体とは、漢字の書体の一つで、素早く筆書きするために字形を大きく省略、変形したもの。現代ではあまり用いられず、古文書などに見られる。

筆を紙面から離さずに文字全体を続け書きする書体で、点画の連結や大胆な省略、変形がわれる。実際の書面では次の文字にそのまま続け書きすることも多く、単語や文節、などの単位で何文字も続けて書くこともある。

古代中国で隷書を走り書きしていたものが起源とされ、正式な文書には楷書体行書体、日常的なメモや手紙などには草書体と使い分けていた。伝統的な繁体字を省略した現代中国の簡体字も草書体の標準の字形を参考に字画を省略したとされる。

日本でも江戸時代以前は中国大陸から伝わった草書体が日常的に用いられ、古文書の書状などの多くは草書に近い字体で書かれている。明治以降は楷書体を正式な字体、行書体を書道や日常的な筆記体と位置付けて教育、普及を図ってきたため、戦前までは教養の一環として習得、使用する人もいたが、現代では日常的に用いられることはほぼなくなっている。

(2023.7.27更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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