携帯電話不正利用防止法 【携帯電話本人確認法】

概要

携帯電話不正利用防止法(携帯電話本人確認法)とは、携帯電話の通信契約や譲渡に際して、通信事業者が契約者の本人性を確認することを義務付ける法律。プリペイド携帯電話が振り込め詐欺などに悪用されたことを受けて、匿名での携帯電話利用を防ぐために制定された。

正式名称は「携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律」で、「携帯電話不正利用防止法」あるいは「携帯電話本人確認法」と略されることが多い。2005年4月に公布された。

携帯電話の契約時には、携帯電話事業者(キャリア)は契約者の氏名・住所・生年月日などを確認しなければならない。契約主体が法人の場合も登記(登記事項証明書)や印鑑登録証明書などで確認する必要がある。虚偽の情報で契約した者には50万円以下の罰金が科される。

また、契約者が他人へ携帯電話を有償で譲渡する際にはキャリアへ申告して承諾を受けなければならず、相手の身元を確認せずに貸与することも禁じられる。これらに違反した者は2年以下の懲役あるいは300万円以下の罰金が科される。

キャリアは契約者本人を常に確認できるようにしなければならず、犯罪捜査において必要が認められれば警察に契約者の情報を提供しなければならない。また、解約から3年間は契約者の情報を保存しておかなければならない。対象は音声通話が可能な端末およびSIMカードで、データ通信専用の装置や端末は対象外である。

(2022.6.16更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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