マルチポイント【multipoint】

概要

マルチポイント（multipoint）とは、Bluetooth機器の機能の一つで、1台のBluetooth機器に対してコンピュータなどの親機を複数台同時に接続し、通信すること。Bluetoothイヤフォンなどでよく用いられる。

Bluetooth機器をスマートフォンやパソコンなどに接続して使用するには「ペアリング」（pairing）と呼ばれる操作を行う必要があり、互いに相手方を登録して通信可能にする必要がある。

通常のBluetooth機器では1台の親機のみ登録可能で、別の親機を接続するにはペアリング操作をやり直さなければならないが、マルチポイント対応の機器では複数の親機を登録しておく「マルチペアリング」（multiple pairing）を行うことができる。

Bluetoothでは利用する機能に応じて「プロファイル」（profile）と呼ばれる通信方式が定められており、マルチペアリングに対応した機器では複数の親機と異なるプロファイルで同時に通信することが規格上は可能だが、同じプロファイルで同時に複数の機器と通信することはできない。

一方、マルチポイントにも対応している機器では、マルチペアリングした複数の親機と、同じプロファイルで同時に通信することができる。例えば、1台のBluetoothイヤフォンを2台のスマートフォンにペアリングし、両方同時に着信を待ち受けるといった使い方ができる。

マルチポイントが可能な親機の台数の上限は機器ごとに決まっているが、マルチペアリング可能な台数が7～8台、そのうちマルチポイント可能な台数が2台まで（2台同時接続）といった仕様になっている製品が多い。

(2022.1.27更新)

この記事の著者： (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。