セカンダリ【secondary】
セカンダリとは?

主要なもの、第一に選択されるものは「プライマリ」(primary)と呼ばれる。セカンダリはこれに次ぐ順位のものであり、プライマリが利用できない場合の代替や、プライマリを補助する役割を担う。両者は優劣ではなく、運用上の役割分担を示す概念である。
三番目を意味する「ターシャリ」(tertiary)や四番目を意味する「クォータナリ」(quaternary)などの語も存在するが、IT分野で使われる場面は少ない。一つのプライマリに対して一つまたは複数のセカンダリを組み合わせる構成が一般的である。
「セカンダリ」という呼称は様々な分野で用いられる。システムの冗長化構成では、通常時に稼働するプライマリ系に対し、障害発生時に処理を引き継ぐ待機系をセカンダリ系と呼ぶ。DNS(Domain Name System)においては、正副の権威DNSサーバを「プライマリDNSサーバ」「セカンダリDNSサーバ」と呼び分ける。データベースでは主系から複製された複製先サーバをセカンダリと呼ぶ場合があり、ストレージでは主要な記憶領域に対する補助的な領域を指すこともある。
プライマリ・セカンダリと似た意味で使われる対の概念には、「メイン」(main)と「サブ」(sub)、「アクティブ」(active)と「スタンバイ」(standby)などがある。かつては優位な側を「マスター」(master)、従属する側を「スレーブ」(slave)と呼ぶ対比も広く使われ、IDE/ATAのようにプライマリ・セカンダリとマスター・スレーブの分類が併存する場合もあった。近年では差別の歴史を連想させる表現を排除する動きに伴い、「スレーブ」という表現は「セカンダリ」「サブ」「レプリカ」など具体的な位置付けや機能に基づく語に置き換えられつつある。
なお、一般的な外来語としては語末に長音を伴う「セカンダリー」という表記が一般的だが、IT分野では歴史的に3音以上の単語の語末における「-y」音の長音記号を省略する慣習があり、「メモリ」「ディレクトリ」などと同様に、語尾の長音を省略して「セカンダリ」と表記する慣習が定着している。